地質学の面白さを小学生に理解してもらうには マインクラフトとビール腹を例に

本日は平岸高台小学校3年生の総合的な学習の時間で出前授業を行ってきました(授業の様子はこちら→http://www16.sapporo-c.ed.jp/hiragishitakadai-e/notice/index/139/6617

 

弊社では、地域貢献の一環として、地域の町内会や学校などを対象に講演活動・出前授業を行っています(出張出前講座)。これまでも、老若男女問わず、様々な年代の方にお話してきました。その中でも、正直言って一番難しいのが小学生だと感じてきました。大人向けの講演会の場合、興味がある人しか来ないわけですから、ある程度拙い話でもそれなりに満足して聞いてくれます。

 

ところが、今回は小学生(しかも3年生)。それも、事前に先生から相談されたテーマが「地形」でした。確かに、平岸高台エリアは凸凹した地形で面白いテーマです。子どもたちがその風景を不思議に思ったというセンス、それを組みとった先生方も素敵だと思います。しかし、どうやってこういう地形ができたのかを説明するには地質学・地形学の理解が必要となります。子供相手にいかに飽きさせずに、興味を持ってもらい、かつ科学的な面白さを伝えられるか?これがポイントでした。

 

そこで、取っ掛かりとして話題に選んだのが『マインクラフト』です。このゲームは広大な世界で様々な素材を集め、建物や道具を作り、街を発展させていくゲームです(やったことはありませんが)。私が感心したのが、ゲーム世界の“地質”です。

地面を掘れば、『土』が手に入りますが、さらに掘り進めると『鉄鉱石』や『金』、『ダイヤモンド』などが深さに応じて手に入れることができます。さらに、専門家以外ほとんど知らないであろう『花崗岩』『安山岩』『閃緑岩』などの岩石も採掘できます。鉱石の採掘には『ブランチマイニング』などの実際の鉱山で使われた技術が有用となっています。

実際の地質学を上手くゲームに落とし込んでおり、初心者にも分かりやすく、かつマニアックにも楽しめるというところが世界的な人気につながっているのだと思います。

このゲームをとっかかりに
①自然界には凸凹した地形が存在すること
②地形はその下の地質と密接な関係があること
③地質を調べることで、その地域の自然史がわかることなどをお話しました。

もう一つ「地形と地質」の関係性を理解してもらうために、選んだのが私のビール腹です。「どうしてお腹が出ているのか?(地形)→脂肪がたまっているから(地質)→食べ過ぎ(自然史)」というストーリーは地形・地質と完全に一致(?)します。

かくして、今回の授業は小学生にも興味を持ってもらい、ある程度は理解してもらえたかなと思います。伝わらない場合、相手のせいにするのではなく、なぜ伝わらないのか?どうすれば伝えられるのか?今回だけでなく、常に考え、より面白く、わかりやすく伝えていきたいと思います。