【ありがとう】HTB現社屋、14日で営業終了【いってらっしゃい】

南平岸駅を降りて、坂を見上げるとそこにはあたりまえのようにonちゃんとHTBがたたずんでいる。地下鉄が開業する前から50年に渡り、何百人何千人の社員がこの坂を上り下りしてきた。

 

彼らは、初めてこの坂を登ったときの胸の高鳴りを覚えていることだろう。あるときは、先輩に怒られ憂鬱な気分で登ったかもしれない。災害が発生すれば、休日返上で使命感に燃え、駆け上がったのかもしれない。「弱小ローカルテレビ」と侮られた悔しさを胸に、キー局に対抗心を燃やしながら踏みしめたかもしれない。

 

開局以来50年間1日も休まず、ここ平岸から電波は北海道中へ発信され続けた。いつしか、平岸の名は全国区になった。休日ともなれば平岸高台公園には全国各地から観光客が訪れる“聖地”となった。

 

タクシーに乗れば、「HTBの近く」で通じた。本州の友人はHTBの近くに住んでいるというだけで羨ましがった。HTBは平岸の誇りだった。この社屋から電波が手稲山へ送られることはもうなくなる。

 

 

自慢の息子が胸を張って都会へ出ていく。故郷の親としては、寂しくもあるが、その勇姿を温かく見送ってあげたい。平岸に誇りと夢を与えてくれたHTB。50年間「夢見る広場」をありがとう。