6月3日に行われた真駒内駐屯地創立記念行事に見学に行ってきました。この日は普段立ち入ることのできない施設の一部が解放され、だれでも見学できます。
真駒内用水
真駒内用水は明治9年に開かれたエドウィン・ダンの真駒内牧牛場に農業用水を供給するため明治12年に作られました。当初は、真駒内柏丘付近の真駒内川から取水し、牧牛場を経て豊平川へ流れていました。
明治20年代に、平岸(東裏)~白石一帯に水田地帯が広がると、水不足が深刻化。明治6年に作られた平岸用水だけでは下流域に十分な農業用水を供給することが難しくなっていました。そこで、明治27年に平岸村・豊平村・白石村・上白石村の4つの村が共同で四箇村連合用水の建設を決定しました。
平岸用水は今の澄川西小学校(地下鉄自衛隊前駅前の東光ストア裏側)のあたりに水門を設け、精進川から取水。天神山の西側を迂回し、平岸街道の真ん中を流れていました。この水門付近に真駒内用水を合流させることで、精進川と真駒内川の二つの水系から安定的にかつ大量に用水を確保することに成功しました。
全長30キロにわたり、真駒内~平岸~豊平~白石~米里間を網の目のようにカバーしていた四箇村連合用水はこのあたり一帯を札幌の穀倉地帯とし、札幌の短期間での大都市化を支えた貢献者といえます。
しかし昭和30年代になり水道が整備されると用水路は無用の長物となり、平岸用水より下流は埋め立てられてしまいました。今では、真駒内川から自衛隊駐屯地を通り、精進川に流れ落ちるルートだけが残されています。