苦情が来てちょっと嬉しかったというお話し

最近、「近ごろの道新りんご新聞(道新折込版)はりんごの歴史ばかり書いていて面白くない」「以前よりつまらなくなった」というような意見を頂くようになりました。

 

率直に言ってご指摘のとおりだと思います。去年の7月までの道新りんご新聞は「平岸の歴史を訪ねて」「平岸人図鑑」「平岸防災」の3本柱を中心に、大きな地域ネタがある場合はそれを伝えるというスタイルで続けていました。しかし、昨年の7月からは基本的に「平岸の歴史を訪ねて~りんご編」のみの連載となっています。

 

以前も書きましたが、現在私(道新りんご新聞・編集長)は北海道新聞販売所の所長養成研修中であり、今年の7月まで平岸を離れ、別の販売所で働いています。今連載している「平岸の歴史を訪ねて」は研修が始まる以前に書き溜めたものであり、休日返上、もしくは睡眠時間を削りながら空いた時間にりんご新聞の編集をしています。私自身、今のりんご新聞のクオリティにまったく満足していませんが、7月には研修が終わりますので、それまでの間ご容赦いただきますようよろしくお願いします。

 

これまでお客様から寄せられるご意見は肯定的なものばかりでした。それが今回、このような否定的なご意見を寄せられて、悔しい思いもありましたが、ちょっと嬉しい気持ちもありました。というのは、わざわざ苦言を寄せてくれるというのは、期待の裏返しであると思ったからです。最初から期待していないものに苦情を言う人はいません。期待していたのに、それに答えられていないという歯がゆさが、このようなご意見になったと思っています。

 

話しは変わりますが、私の前職・六花亭に勤めていたとき、よくお客様から寄せられた苦情が「最近、お菓子が小さくなった」「以前より味が落ちた」というものでした。むろん小さくしたり、作り方を変えたりしているわけではありません。しかし、以前食べた記憶から変わらないクオリティでは、お客様を満足させるには至らず、結果として「小さい」「味が落ちた」という苦情につながっていたのです。

 

六花亭のお菓子は、常に作り方・原材料を少しづつ改善しています。40年の歴史を持つマルセイバターサンドも数年前に包装方式を変更し、より柔らかい食感になりました。目に見えない、けれども決して妥協することのない改善が「いつ食べても変わらない美味しさ」という評判につながっているのです。

 

道新りんご新聞も、少しづつ前進することで「いつ読んでも面白い」新聞になれるよう精進いたしますので、研修が終わるまでもうしばらくお待ち下さいますようよろしくお願いいたします。