北海きたえーるのメインアリーナ入口には北海道出身の金メダリストのパネルが展示されています。
その一番左上に飾られているのが北海道初の金メダリスト南部忠平です。南部忠平は平岸とゆかりの深い人物です。
忠平の父・源蔵は狸小路で酒屋「三国屋」を構え、“札幌政財界の陰のドン” と呼ばれていました。明治36年に平岸の天神山一帯を買い取り、故郷の福岡天満宮からご神体を分けてもらい、天神山に奉納し天満宮を建立しました。これが、天神山の名前の由来です。
南部忠平には「百貨店の階段でトレーニングをしていたら従業員にたたき出された」とか「市電の線路をレーンに見立てて練習した」など、どんなところでも体を鍛える習慣があったという話が伝わっていますが、地主の息子として平岸にもよく遊びに来たようで、これと似たエピソードが平岸にも伝わっています。
すなわち、天神山の麓を流れていた平岸用水を飛び越えたとか、相馬神社の石段を駆け上がる坂道ダッシュを繰り返したといったエピソードです。
こうしたトレーニングの甲斐もあってか、昭和7年にロサンゼルスオリンピックに出場し、三段跳びで金メダル、走り幅跳びでも銅メダルを獲得しました。
忠平の偉業をたたえ、1988年から南部忠平陸上記念大会が毎年7月に開催されています。