道などは24日、東日本大震災などを受けて公共施設や旅館、ホテルなどの大規模施設に義務付けられた耐震診断の結果と施設名を初めてホームページなどで公表しました。
震度6強から7程度の地震で倒壊や崩壊の危険性が「高い」「ある」と診断されたのは、対象727施設の24%に当たる176施設。豊平区では、マックスバリュ平岸店と札幌市立羊丘小学校が、倒壊のおそれがあると診断されています。
羊丘小学校は2018年度の建て替えが予定されていますが、マックスバリュ平岸店は建て替えや耐震改修などの対策は未定としています。
耐震診断の公表は施設所有者に耐震改修を促すのが狙いですが、北海道新聞の集計では、改修方法や時期を決めていない施設は、大規模地震で倒壊の危険性がある施設の45%に達しています。
国と道、市町村が費用を出す民間向けの耐震改修の補助制度は、1平方メートル当たり約5万円が上限で、上限額の3~5割は所有者が負担するため、持ち出しは億単位に達することもあります。
実際、補助制度が始まった15年度以降、補助を受けた施設は17施設のみで、独自の制度を持つ札幌市でも6施設にとどまっています。
札幌市が発行している札幌市地震マップ(豊平区・清田区版)によれば、マックスバリュ平岸店は最大で震度6強の揺れが想定されています。
道建築指導課の山本正人主幹は「昨年の熊本地震のように、震度6強や7の地震は道内のどの地域でも起こりうる。耐震性が低い施設であっても違法ではなく、ただちに危険な状態にあるわけではないが、安全のため、できる限り早い改修をお願いするしかない」と話しています。
※10月25日北海道新聞朝刊37面より引用・一部加筆
※176大型施設、耐震不足 震度6強で倒壊の恐れ 道が公表(どうしん電子版)
※耐震改修は努力義務/79施設が「未定」 「不安招く」戸惑いの声 道が診断結果公表(どうしん電子版)
※札幌人が知っておくべき3つの地震リスク~2010年に清田区で発生した直下型地震を振り返る