8月6日から開催中の札幌国際芸術祭(SIAF)。正直、芸術にはあまり興味はありませんが、会場マップを見て好奇心をくすぐられました。
中の島地区にぽつんと「りんご」と書いてあります。道新りんご新聞としては放っておけません。というわけで早速潜入してきました。
SIAFのホームページには、「元りんごの倉庫として建てられた軟石の倉で音と光と時間のインスタレーションを展開します。」と書いてあります。
このりんご倉庫というのは中の島1条3丁目の札幌軟石造りのりんご倉庫でした。豊平区役所のホームページによれば、「この地域で盛んに栽培されていたリンゴを保存するため、大正初めに石造りの倉庫が次々と建設された。その後リンゴ園は消え、今は1軒の倉庫が残っているのみである。」
会場の方によれば、明治43年築ではないかとお話しでした。平岸に残っている軟石造りのりんご倉庫は昭和初期のもので、明治にしろ、大正にしろこのあたりでは一番古い倉庫かもしれません。
倉庫内にはアート作品みたいなものもありましたが、それはおいといて私が興味をひいたのは倉庫の構造です。
写真上部の木材部分が地面の高さになっており、その下が地下室になっています。
平岸出身でりんごの研究者でもあった齋藤健一先生によれば、平岸りんごの特性は日持ちが良いことであり、倉庫で貯蔵すれば「翌年の札幌祭(6月中旬)までもつ」ほどでした。
味では青森産にかなわなかったものの、5月・6月頃までは他県産のりんごは日持ちせず、この頃に出荷したりんごは高値で取引され、りんご農家を潤したそうです。
この貯蔵性の高さを活かし、平岸りんごはウラジオストクやシンガポールへ輸出され、確固たる地位を築き上げました。
りんご倉庫の外観は見学できますが、内部に入って見学できる機会はあまりないと思いますので、興味のある方は見学されてはいかがでしょうか。詳しくは、SIAFのホームページをご覧ください。