「まさか自分が」熊本地震の被災者に震災体験と地震への備えを聞きました

2016年4月16日の熊本地震本震で壁が倒壊した益城町の家屋(杉中正人さん提供)
2016年4月16日の熊本地震本震で壁が倒壊した益城町の家屋(杉中正人さん提供)

熊本地震から今日で1年。熊本県益城町では、観測史上初めて震度7を2回記録し、町内の住宅のうち9割以上が被害を受けました。

 

明日発行の道新りんご新聞4月15日号では、益城町の実家に帰省中に被災した平岸在住の杉中正人さんに、「巨人の手でつかまれたと思った」という震災体験と、「今すぐ取りかかるべき」地震への備えについて伺いました。

 

本震で家具が倒れ、物が散乱した室内(杉中正人さん提供)
本震で家具が倒れ、物が散乱した室内(杉中正人さん提供)

道新りんご新聞は、有事の際に地域の防災・安全情報を発信し、地域住民の安全を守ることを目的として創刊しました。平岸防災では、ローカルな災害特性を発信することで防災意識を高め、いざという時に備えてもらうことを目的として連載を続けています。

 

しかしながらその目的は全く果たせていないと痛感しています。防災に対して意識の高い人はごく一部であり、大多数にとっては他人事だからです。

 

私はこれまで歴史でも防災でも、もともと興味を持っている一部のマニアックな人々を対象にするのではなく、あまり関心を持っていない人にどう興味を持ってもらえるかを考えて情報を発信してきました。

 

おかげさまで、「平岸の歴史を訪ねて」はそれなりに反響があり、歴史に興味のない方にもある程度浸透したという手応えがあります。

 

一方、「平岸防災」は残念ながらあまり反響がありません。ひとえに私の実力不足というのもありますが、札幌市民の災害に対する当事者意識が押しなべて低いという問題もあると思います。

 

この1年、できるだけ防災関係のシンポジウムや講演会に足を運び、被災者の体験を聞く機会を作ってきました。その中で誰もが「自分が被災するとは思わなかった」と口を揃えて言っていました。

 

幸い札幌はこれまで大きな地震を経験することなく歴史を積み重ねてきました。その事自体は大変ありがたいことですが、一方で「札幌は安全である」「大きな地震は起こらない」といった根拠のない思い込みが蔓延しています。

 

しかし、昨年の熊本地震はまさしく住民がそう思っていた土地で起きたのです。「たぶん起きないだろう」という思い込みにまかせて自分や家族の命を危険にさらすのではなく、「万が一起きるかもしれない」と思って準備することが大切です。

 

今回お話を聞いた杉中正人さんも、「まさか自分が被災するとは」と仰っていました。そして、その反省から平岸の住民に少しでも役に立てればとの思いで、道新りんご新聞に情報提供してくださったのです。実際に取材してみて、大地震を経験した方にしかわからない恐怖感というものを肌で感じました。明日の道新りんご新聞はぜひ家族でお読み下さい。そして、まだ災害に対する備えをしていない方はすぐに準備して下さい。あなたとあなたの家族のために

 

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