見事ソフトバンクを打ち破り日本シリーズへの出場を決めた日本ハム。一方セ・リーグでは広島が25年ぶりに日本シリーズ進出を決めています。
このコラムでは経営者の視点から、今年最もコストパフォーマンスがよかったチームはどこかを、総年俸を勝利数で割ることで求めてみました。
まず、総年俸がこちらの表になります。日本ハム・広島ともにソフトバンクの半分ほどしかありません。
続いて、コストパフォーマンス(総年俸÷勝利数)で並べたのが上の表になります。
広島・日本ハムともに、両リーグで最もコストパフォーマンスが良かったことがわかります。広島は「年俸1億円を越えるとお迎えがくる」と言われるように、高額選手を雇えるほどの経済的余力があるチームではありませんし、一方の日本ハムも基本的にFA補強をせず、自前で戦力を育て上げる方針を貫いています。今シーズンは、自前で育てるチームの育成方針が見事に成果を結んだといえそうです。
逆に今シーズン2位になった巨人・ソフトバンクはそれぞれのリーグで最も悪いコスパになっています。ソフトバンクは、松坂大輔投手のように金に物を言わせた補強が必ずしも成果に結びつかず、巨人も外国人選手が期待はずれの成績に終わっています。
コスパで日本ハムを上回る2位につけたのはDeNA。若手主体のチームで、総年俸が12球団で最も低かったにも関わらずシーズンでは3位に入りました。筒香選手をはじめ、伸び盛りの選手も多く、来年以降優勝争いに加わってきそうな勢いが感じられます。
これとは対象的なのが、コスパ10位のオリックス。巨人・ソフトバンクは、コスパこそ悪いものの、シーズン2位の成績を残していますが、総年俸で3位につけながら、ぶっちぎりの最下位は頂けません。会社であれば、社長はクビです。金額に見合った活躍をしなかったベテラン選手の整理が必要でしょう。
今年は金満球団を育成重視のチームが打ち破ったファンにとってはたまらないシーズンとなりました。お金をかけたからといって必ずしも優勝できるとは限らない・・・そこがスポーツの醍醐味でしょう。