よさこい平岸会場観覧記 地域が作り出す一体感

観客との一体感が感じられる平岸会場
観客との一体感が感じられる平岸会場

昨日閉幕した第25回YOSAKOIソーラン祭り。テレビの生中継をほんの少し見た昨年までとは違い、今年ははじめて平岸会場で観覧しました。

 

持参したレジャーシートを広げゆったりとくつろぐお年寄り、ビール片手にほろ酔い気分でよさこいを楽しむおじさんたち、真剣な表情で踊りに見入る車イスに乗ったおばあさん。

 

踊り手と目があい、手を伸ばせば届く距離、そんな間近でよさこいを楽しめるのが平岸会場の売りです。

祭り終了後、すぐに片づけに取り組む会場運営者
祭り終了後、すぐに片づけに取り組む会場運営者

熊本県のよさこいチーム『肥後真狗舞(ひごまぐま)』が出場すると沿道からは拍手が鳴り響き、「がんばれー」、「応援してるぞー」と温かい声援がかけられました(関連記事→被災地熊本からヨサコイ 大学生ら50人 「元気な姿見せたい」)。

 

平岸天神の一糸乱れぬ演舞は、チームが一つの生き物のように見え、生命力にあふれていました。テレビや動画サイトでは決して体験できまない生の迫力こそ地域会場の魅力なのかもしれません。

 

YOSAKOIに対して「観客不在の踊り手だけの自己中心的なお祭り」という批判もあります。しかし、住民の人垣ができた会場では、すっかり祭りが地域に定着していると感じました。

 

平岸会場は商店街や町内会、地域有志による小規模な運営で、「踊り手と見る側、運営する側の距離がない」(関係者)のが特徴です。また平岸会場は市内で唯一国道を使用しているパレード会場であり、使用時間など制約も多く、国道から市道への『格下げ運動』も起こったほど。祭りが終了するとただち会場運営者がかたづけに取り組み、ほんの10分後には撤収が完了する手際の良さが見られました。祭りを支える地域住民のエネルギーこそが、YOSAKOIを影で支えているのかもしれません。