紙媒体は“オワコン”か?ホームページを始めて見えてきたこと

このホームページを開設してまもなく3ヶ月になります。道新りんご新聞は、新聞折り込み・ラジオ番組・ホームページ・facebook・twitterとマルチチャネルで情報を発信しています。

 

その中で、様々な成果と課題が浮かび上がってきました。思いつくままに、取り上げたいと思います。

 

そもそも、なぜ様々な媒体での情報発信に取り組んでいるかといえば、防災への備えです。創刊の目的として、「地域の文化の発展に貢献し、非常時には地域の安全を守るお手伝いをする」ことを掲げている以上、普段から災害に備えて複数の媒体で情報発信できる体制を作っておく必要がありました。

 

大きな災害が起きると、ライフラインが寸断され、情報発信手段が制約を受けます。発信媒体を複数確保しておけば、どれかのチャネルは生き残る可能性が高く、災害時にも情報をお届けできます。

 

今回、熊本地震の発生を受け、電子媒体の長所がはっきりと現れました。それは、いつでも好きな時に、好きな分だけ情報を発信できるという点です。紙媒体は決められた日にちに、決められたスペース内でしか情報を伝えることはできません。しかし、電子媒体にはそのような制約はなく、熊本地震後このブログで札幌の地震情報を連日発信することができました。

 

しかし、一方で課題も見つかりました。インターネットを主体とした情報発信では、紙媒体を中心に情報を集めている世代(アナログ世代)に伝わらない点です。

 

この問題は、うちの販売所だけが抱えている問題ではありません。日本中、いや世界中のメディアに共通する問題といえます。

 

人類史上きわめて短時間に情報伝達手段が大きく変化してしまったために、世代によって情報の受け取り方が全く異なる断続平衡の時代に我々は暮らしています。アナログ世代(紙媒体中心)、デジアナ世代(ネット+紙)、デジタル世代(SNS中心)と世代によって情報収集手段が異なるために、全ての世代に伝えられる媒体は存在しないといっていいでしょう。

 

できるだけ多くの人に情報を届けるには、一つの媒体に縛られることなく、複数のメディアを使いこなす必要があります。

 

また、必ずしも電子媒体が紙媒体よりも優れているともいえません。

このホームページの3ヵ月間での累計ページビューは、まもなく20,000を突破します。ブログやそのほかのコンテンツを全て含めると125個の記事になるので、20,000ページビュー÷125記事=160、平均すれば1つの記事が160人程度にしか読まれていない計算になります。

 

特にインターネットでは自分の興味のある事柄のみが読まれる傾向が強く、なかなか伝えたいことが伝わらない面があります。一方、紙媒体の場合紙面のどの記事に重点を置くか編集サイドでコントロールできるので、自分の伝えたい情報を広く伝えることができます。

 

道新りんご新聞は、平岸地域の北海道新聞購読者に約11,000部発行しています。購読者全員が読んでくれているわけではありませんが、折り込みチラシは6割の人が毎日目を通すといわれていますので、少なくとも6千人以上の人が、びっしり読むとは言わないまでも目は通してもらっている計算になります。

 

特定のエリアに限って情報を発信する場合、電子媒体よりも紙媒体のほうが発信力は高いといえます。毎日のようにポストに投げ込まれるチラシを見れば、紙の影響力は侮れないことがわかるでしょう。

 

媒体によって、それぞれ長所・短所があります。その特性を理解して、情報発信することが大事ということですね。

 

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