5月14日の北海道新聞朝刊8-9面では、地震発生から1ヶ月となった熊本地震の特集が組まれています。
9面(写真左ページ)にはページの上半分を使って、今回の地震で亡くなられた方々の写真と生前の横顔が書かれています。
犠牲者の写真とプライバシーがさらされることに違和感を感じる方もいるかもしれません。亡くなった方のご遺族にしても、報道されることを必ずしも望んでいるわけではないと思います。
しかしながら、犠牲者の横顔を知ることで、被災地の支援や、防災意識の向上につながるという面もあります。
もちろん、被災者のもとへ多数のメディアが殺到し、プライバシーを不当に侵害したり、社会生活を妨げるようなことがあってはなりません(残念ながら一部メディアでそのような問題はありましたが)。しかしながら、取材を遠慮してばかりいては、災害の恐ろしさを伝えることはできず、報道の役割を果たすことができなくなります。
今回の特集は、そういった点を考慮して読んでいただければと思います。
以下に、犠牲者の横顔を抜粋いたします。
河添由美さん(28):農家の両親を手伝った。人気デュオ「Kinki Kids」のファン。夏に母とコンサートに行く約束だった。
清田啓介さん(18):東海大に入学し、実家を離れて一人暮らしを始めた。動物好きで、夢は動物園か水族館の飼育園。
荒牧不二人さん(84):自慢の声を生かしてカラオケ教室を開き、多くの生徒に慕われた。7月に発表家の予定だった。
西村美智子さん(82):仲良し夫婦で知られ、夫正敏さんが数年前に脳梗塞を患ってからは介護していた。
脇志朋弥さん(21):勉強熱心で、東海大ではバレーボールサークルにも所属。地元・鹿児島の高校に教育実習へ行く予定だった。
矢野悦子さん(95):どんな人にも優しく、慕われた。最近は足が悪かった。一緒に暮らす長男は「もうちょっと親孝行しておけば」
福田喜久枝さん(63):最初の地震の片付けで、益城町にある夫の実家に来て被災。プールに通い始め、庭の手入れに精を出していた。
鳥居敬規さん(42):妻洋子さんと九州を旅行中、南阿蘇村の山荘で被災。3人兄弟の末っ子で温厚だった。
鳥居洋子さん(37):香川大病院に看護師として勤務。糖尿病治療に関する資格を持ち、患者ケアに積極的に当たった。
亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈りいたします。
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