六花亭から学んだこと「正しきによりて滅びるならば滅びてよし」

先月末、北海道新幹線の開業を伝えるニュースが紙面を賑わす中、個人的に衝撃的なニュースが飛び込んできました。

 

六花亭製菓の小田豊社長が先月末で退任されるとのこと(詳しくは、どうしん電子版の記事をご覧ください)。

 

六花亭は、私の前の職場であり、社会人の第一歩を歩んだ場所でもあります。

私にとって、「社長」と呼べるのは後にも先にも小田社長だけでした。

六花亭から学んだことがいかに大きかったか、辞めた後のほうが実感しました。

 

「正しきによりて滅びるならば滅びてよし、断じて滅びず」

社長はよくこの言葉を口にしていました。

 

目先の利益にとらわれず、信念を持って“本気で”行動すること。

 

まだメセナとかCSRなどの概念が無かった半世紀以上前から、

六花亭は児童詩誌サイロを発行し、

店舗を地域の文化拠点と位置づけ、

コンサートや寄席、各種文化活動を提供してきました。

 

私が、新聞販売業界に入ったとき

肌で感じたのは、社会的地位の低さです。

 

新聞販売所といえば、強引な訪問営業というイメージがあるからでしょう。

新聞を読むのがあたりまえの時代なら有効な方法だったのかもしれませんが、

今後ますます新聞購読層が減少していく中で、

いつまでも訪問営業一辺倒のやり方では、通じないと強い危機感を持ちました。

 

商売の基本はwinーwinの関係を築くこと。

お客様に喜ばれ、地域に役に立ち、その上で会社の利益にもつながる

・・・そんな関係が築けないかぎり、この先はないと思っています。

 

一流の会社は、過去の成功体験にとらわれず、自己否定できるものです。

任天堂は、花札の会社から世界を代表するゲーム会社になりました。

富士フィルムは、フィルムメーカーから医療機器・高級化粧品を取り扱う

精密化学メーカーになりました。

 

今こそ、新聞販売所も新しい業態にチャレンジするときです。

 

新聞販売所を地域の情報発信拠点と位置づけ、

平時には地域の文化の発展をサポートし、

非常時には地域の安全を守るお手伝いをする

 

言うは易く行うは難しですが、

「正しきによりて滅びるならば滅びてよし、断じて滅びず」の言葉を

自らに言い聞かせ、今後もチャレンジし続けたいと思います。